第19回日本感染症学会総会学術集会/第26回日本神経免疫学会学術集会/合同学術集会
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大会長あいさつ

感染と免疫のインターフェース

 微生物が生体に侵入するという現象により宿主側の免疫機構が作動し、生体は微生物という異物を排除します。このように‘感染’と‘免疫’は表裏一体であるために、2つの事象は不可分でありながら、生物の進化の歴史に伴ってお互いの関係も必然的に変化してきました。その結果、ヒトでは、感染に対する免疫応答がGuillain-Barré症候群のような神経疾患を引き起こすという複雑な関係にあることが、この20年余りの免疫学・感染症学の進歩により明らかにされつつあります。
 ところで、「日本神経感染症学会」は約20年、「日本神経免疫学会」は約25年の歴史があり、この間に多くの新進気鋭の研究者や医師の参加を得て、少人数の研究会から発足した両学会は大きく発展してまいりました。このような2014年という節目にあたり、「第19回日本神経感染症学会」を金沢医科大学・微生物学講座が、「第26回日本神経免疫学会」を金沢医科大学・神経内科学講座が担当し、金沢の地で合同開催する運びとなりましたのは、両学会のさらなる飛躍を目指す上で絶好の機会であると確信しております。
 共通テーマである「感染と免疫のインターフェース」は、両者のせめぎ合いをイメージしておりますが、それはお互いに混じり合わないのではなく、相互作用の中にこそ科学的真実が存在する、その病態あるいは治療研究の今後の方向性を、2つの学会の立場から検証し発展させたいというわれわれの願いを表しております。したがって、両分野のup-to-dateな話題を、独自性を互いに尊重しつつ可能な限り融合させるというのがわれわれ大会長に課せられた使命であり、身の引き締まる思いです。このような観点から、様々な企画の相互乗り入れを実現し、参加者が自由に両学会を行き来し、あるいは同一会場で両学会の討論を楽しみ、倍返しに勝るご満足を感じていただけるよう精進してまいる所存です。


2014年1月吉日

第19回日本神経感染症学会学術集会 大会長 大原義朗
第26回日本神経免疫学会学術集会  大会長 松井 真